建物を賃貸しているという状況で、例えば、賃借人の家賃の支払い状況がよくない時期が続き、これ以上貸していられないと思うような場合にはどうすれば良いのでしょうか。このような場合には、賃貸借契約を解除して、建物(部屋)の明渡しを求めるということが考えられます。
どのような場合に建物の明渡しが認められるのでしょうか。
■賃料不払いが続いているような場合
賃貸借契約は、賃貸人と賃借人の信頼関係が重要になる契約です。したがって、「信頼関係が破壊された」といえるような状況でないと、賃貸借契約を解除することができないとされています。
そのため、例えば、一ヶ月分の家賃の支払いが滞ってしまったからといって、解除することはできないということになります。賃貸借契約においては、「一ヶ月分でも支払いを怠ったら契約を解除する」というような条項が入れられる場合がありますが、そのような場合でも裁判所は「信頼関係が破壊されたといえるほどの家賃滞納かどうか」を判断していると考えられています(最判昭和43年11月21日、最判昭和51年12月17日)。
■無断転貸の場合
無断転貸とは、借りている建物や部屋をさらに他人に賃貸することをいいます。このような場合には、原則としてすぐに解除できるということになっています(612条2項)。ただし、「信頼関係が破壊された」とはいえない特段の事情がある場合には解除できないことがあります。
では、明渡しをどのように実現するのでしょうか。ここでは、かなり酷い家賃滞納が既に行われているとして考えます。
このような場合には、訴訟手続きを行うということになるでしょう。そこで勝訴判決を得ることができたら、次は強制執行の手続きを行うこととなります。執行官のもとへ判決正本を持参し、強制執行の申立てを行います。
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