生前贈与

生前贈与とは、亡くなる前に行なう贈与のことで、一般的に相続税対策の一環として活用することの多い贈与方法です。相続税には、「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」の計算式で算出できる相続税の基礎控除額が定められていますが、贈与税には相続時精算課税制度を活用する場合を除いて、年間110万円の控除額が定められています。有名な相続税対策では、この控除額を活用して、年間110万円以下の生前贈与を数年間にわたり繰り返していくことで相続時の財産を減らすとともに、相続税の課税額を減らしていきます。この時、生前贈与された相続財産は、民法上すべて特別受益の持ち戻し計算の対象となる可能性が高いですが、税法上は、被相続人が亡くなった時から計算して3年以内の生前贈与が特別受益として持ち戻し計算の対象となります。