相続時のトラブル|不動産の名義が違う場合

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相続時のトラブル|不動産の名義が違う場合

相続とは、被相続人の死亡により、被相続人の一身の専属したものを除き、被相続人の財産に属した一切の権利義務を受け継ぐことをいいます。相続開始によって、亡くなった人の財産を承継することができる人のことを、相続人といいます。一方、亡くなった人のことは被相続人といいます。誰が被相続人の財産を相続するかについては、遺言があればそれに従いますが、遺言がない場合は民法に規定されている一定のルールを基準とします。

不動産を相続する際に、土地の所有者の名義と建物の所有者の名義が異なることがあります。例えば、被相続人である父(A)が土地を所有しており、相続人のうちの一人である娘(C)の配偶者(X)が建物の所有名義を有する場合です。このような場合、普段は特に問題となりませんが、どちらかの所有者が亡くなることで問題となります。今回は父(A)が亡くなった場合で、配偶者(B)、子が3人(CDE)いる場合を想定して考えます。

土地の所有者(A)が亡くなると、本件土地の相続が開始し、遺言がない場合には、遺産分割協議によって相続財産の分割が行われます。法定相続分は、配偶者である母(B)が2分の1、子(CDE)がそれぞれ6分の1ずつとなります。

土地の所有者は被相続人であるAですが、その上にはCの配偶者(X)が名義人となっている建物が建っており、これが問題となります。

仮に母(B)がこの土地を相続する場合、一番無難な選択かと思われますが、母(B)は相続人の中で、年齢的に、近く相続をする可能性が高いため、母が亡くなったときの相続税負担が重くなることがあり、根本的な解決になるとは必ずしもいえません。次に、Cが相続をする場合、建物の名義人(X)と土地の名義人が夫婦ということになるので、一番しっくりくるとも思われます。もっとも、このパターンは他の兄弟姉妹(DE)から不満が出てしまうことが多くあります。この先、夫婦で当該土地建物を一括売却してしまうことも考えられ、土地の評価が高ければ高いほど、兄弟姉妹間に軋轢を生んでしまう可能性があり、これが妥当な結論とも言い切れません。だからといって、DとEが相続するとなると、土地を所有しているのに、その上に建っている建物は義理の兄(弟)のXが所有しているという非常にややこしい事態となってしまいます。住んでいないのにもかかわらず、固定資産税はDとEに課税されるなど、あまり良い選択肢とはいえません。

このように、土地と建物の名義人が異なる人物の場合、相続が発生すると、難しい判断をしなければなりません。誰が所有権を持つにしても問題が発生するからです。生前に被相続人が遺言などで定めておくのが一番の紛争防止策ではありますが、そう上手くはいかないのが相続の難しいところです。このような問題は、まずは専門家に相談し一番良い解決策を専門家と一緒に探っていくのが一番の近道となるのではないでしょうか。

司法書士法人アンジュでは、相続でお困りの皆様のお手伝いを通して、新しい一歩を早く踏み出せるように支援させていただきます。東京都千代田区、世田谷区、大田区、杉並区をはじめとして全国出張にも対応しておりますので、お悩みの際はどんな小さなことでも当事務所までご相談ください。

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